2024年度春渡航②(ベトナムチーム)

1. 渡航の目的

ベトナムの環境問題の現状と取り組みを実際に学ぶ。
今後プロジェクトを行う上での繋がりを作る。
現地の学生の視点を取り入れながら「学生」としてできる解決策を考案する。
現地の様々な環境団体の訪問
現地の大学生と環境問題をテーマに原因分析を通して「学生」としての解決策を考案

2. 渡航概要

日程:2025年3月22日(土)〜27日(木)
参加人数:12期3人、13期4人
渡航先:ベトナム(ハノイ)

スケジュール概要

1日目(3/22):現地到着(既に到着済みのメンバーと合流)
2日目(3/23):HANUと街頭インタビュー、ディスカッション
3日目(3/24):ハロン湾にて観光
4日目(3/25):文化交流センターとPizza4p’sを訪問
5日目(3/26):KVC訪問、ハノイ貿易大学の学生とディスカッション
6日目(3/27):CECRとLive&Learnを訪問

3. プロジェクト内容

学生ディスカッション

3.1 HANU

 ハノイの廃棄物問題をより深く理解するため、HANU(ハノイ大学)の日本語クラブの方々と共に街頭インタビューと学生ディスカッションを行いました。分別・ポイ捨て・海洋プラスチックの3つのテーマに分かれて活動し、10代から70代まで幅広い方々に意見を伺いました。特に若い世代では、学校教育やSNSを通じて環境意識が高まっているという声が多く、現地の関心の高さを感じました。
 ディスカッションでは、前提知識を共有した上でロジックツリーを用いて原因分析を実施。「学生だからこそできるアプローチ」を軸に、分別促進やポイ捨て防止のアイデアなど、地域に寄り添った提案をまとめました。通訳を含め、現地学生が積極的に協力してくれたことで、より深い議論が生まれた有意義な時間となりました。

3.2 FTU

視察

3.3 文化交流センター

 ハノイ市にある「国際交流基金ベトナム日本文化交流センター」を訪問しました。訪問目的は、主に2つです。まず、公的な技能実習生に支援を送る機関である交流センターに行くことで、助成金の送り方やマクロな支援の具体的情報を得ること、次に前から考案していた技能実習生との交流会を行うために、参加者の集め方を大量に展示会に集客していた交流センターから知ることでした。さらに、交流センターが他の日本語教育、技能実習生に関する機関とのつながり等を持っているかどうか聞く機会になればとも考えていました。
 一点目に関しては支援に関して主に交流センターは日本語教育の教科書、「いろどり」の作成をしており、JFT-Basicという技能実習生向けの日本語検定テスト作成にも取り組んでいること、「いろどり」に関しては無料でダウンロードできるため我々も技能実習生との交流会で使用、集客に有用であることがわかりました。二点目に関しては参加者を集めるためには日本の技能実習生にかかわる機関(JITCO)に広報をお願いする等のご意見を頂きました。

3.4 Pizza4ps

 Pizza4psにも訪問いたしました。こちらはとても素敵な高級イタリアンのレストランなのですが、サステナブル活動にも積極的にお取組になられているため、勉強させていただきました。ちなみにお料理はとても美味しいので、ぜひベトナムに行った際は寄っていただければと思います。幸運にも日本にも店舗があるので気になる方はぜひそちらにも足をお運びください。さて、視察の目的ですが、Pizza4psで行っている環境問題に対する取り組みを理解するということを掲げておりました。
 Pizza4psでは多くの環境にやさしい取り組みを行っています。お店で使う野菜は化学肥料不使用のものを用いたり、生態系保全のためにマングローブ林にカニを放流したり、食品廃棄物を堆肥化しコウロギの飼育に用いたり、zero-waste storeという取り組みを行ったりと、リサイクルだけではない様々な方向からの取り組みを行っていることがわかります。また、お客さんがリサイクルできる生活用品を持ち込んでポイントに交換することができたり、食品廃棄物を活用したガーデンを店内に整備していたり、店内で使われている様々なものがリサイクルされたもので作られていたりと、お客さんがサステナビリティを体験できるような工夫もあらゆるところで行われています。社会解決とビジネスの両輪で努力を続けているからこそ、ここまでの取り組みができていることを感じました。
 今年度は環境問題を主に扱う予定なので、定期的にコンタクトを取り、活動のフィードバック等をいただけると大変ありがたいと考えております。

3.5 KVC

 KVC(Keep Vietnam Clean)は、ハノイでのゴミ拾いの活動から始まり、現在は幅広く環境改善に取り組んでいる団体です。ベトナムの環境問題の現状と取り組み事例を知ることで、今後の取り組みの参考になると考え視察に伺いました。
 クリーンアップイベントの目的は、廃棄物問題に対する公共の意識を高める事にあります。日常的な取り組みとしては、ゴミの分別、省エネ活動、プラごみのリユース、裏紙の使用などが挙げられますが、最も効果的なものはリデュースです。問題意識としては、まず廃棄物処理に関して政府、地方自治体、市民との調整ができていないことが挙げられます。具体的には、廃棄物処理施設での不適切な処理や地域のNGOやNPOの資金確保の問題などです。資金自走の対処法としては、中古品の販売を行なっています。財源としてはスポンサーなどがあり、またイベントの集客により知名度を上げました。このイベントには、大学生や公的な機関、企業の従業員も参加します。長期的な協力を得るには、活動に対する必要性の理解と環境に良い行動を実践する場があるかどうかが重要だということも学びました。
 ノウハウを共有していただくだけでなく、他の環境団体のご紹介もいただき、大変有意義な時間になりました。

3.6 CECR

 ハノイを拠点に環境保全活動を行うCECRを訪問し、ベトナムでの環境問題の現状と、多様なステークホルダーと協働しながら進められている取り組みについて学びました。
 CECRでは、水質保全や廃棄物対策、ジェンダー視点を取り入れた活動、学校での環境教育、企業との協働など、幅広いプロジェクトを実施しています。特にローバリュープラスチックに焦点を当てる取り組みや、地域の女性と連携した分別推進は、現場に根ざした独自のアプローチとして印象的でした。
 意見交換では「環境に関心のない人を巻き込むには、まず関心の高い層から広げていくことが重要」というお話や、「学生だから特定の分野がやりやすいというわけではなく、あらゆる課題に取り組む機会がある」というメッセージをいただきました。現地での実践知に触れ、今後の活動の方向性を考えるうえで大きな学びとなりました。

3.7 Live&Learn

 Live & Learnは、気候変動問題と都市環境問題の2つに取り組むベトナムの環境団体です。大気汚染と廃棄物問題を中心にベトナムの環境問題の現状と、その解決に向けた実践的な取り組みについてお話を伺いました。
 ハノイでは、交通由来の排気ガスや廃棄物の野焼き、稲わら焼却などにより、大気汚染が深刻化しており、健康への影響が懸念されています。また、政府によるごみ回収では分別がなされず、埋立や焼却による処理が中心である一方、資源ごみを回収するインフォーマルセクターがリサイクルを支えている現状も学びました。
 Live & Learnでは、学校での環境教育「Green School」や、通学路整備による歩きやすい街づくり、排出源対策など、行動変容につながる取り組みを進めています。子ども向けにカードゲームやアニメを活用するなど、伝え方にも工夫が凝らされていました。
 今回特に印象的だったのは、環境問題の解決には環境分野の専門家だけでなく、AI・教育・メディアなど異なる分野との協働が重要だという点です。また、「学生だからこそ多様な課題に挑戦できる」という言葉にも、私たちが活動することの意義について考えさせられました。現地での実践的な取り組みに触れ、今後の活動について様々なヒントを得ることができました。

4. 今後の展望

 今回の渡航を通じて、現地の学生や市民の間で特に関心が高いテーマが「廃棄物問題」であることが分かりました。そこで今後はこの課題に焦点を当て、学生の視点から実践的な解決策を検討していきます。
まずは、現地の学生とのディスカッションで生まれたアイデアをブラッシュアップし、実行可能な形に落とし込んでいきます。例えば、分別を実践したい市民とリサイクル施設をつなぐ仕組みづくりなど、地域に根ざしたアプローチにも挑戦する予定です。また、新たに加わるメンバーともアイデアを共有し、次世代の学生主体で新しいプロジェクトを創出していきます。
 5〜6月にアイデア検討と準備を進め、7月に本格的な設計、そして8月の夏渡航でプロジェクトを実行予定です。現地での学びを形にしながら、学生だからこそできる持続的なアクションを模索していきます。