2024年度春渡航①(タイ・ミャンマー国境チーム)

1. 渡航の目的

本渡航は、2025年夏の本渡航に向けた事前視察(バンコク)と、タイ・ミャンマー国境に位置する山岳民族の学校「虹の学校」(カンチャナブリ)訪問の二つを柱として実施した。
虹の学校では3泊4日を現地の子どもたちと共に過ごし、MISとしてワークショップや授業を企画・実施したほか、子どもたちによるミュージカルやダンスの鑑賞を行った。また、山岳民族の子どもたちの家庭や、家族の職場である山を訪問し、生活環境についての理解を深めた。
本来、MIタイ・ミャンマー国境チームの渡航先はメーソットを予定していたが、春渡航前に同地域が詐欺拠点として利用されているとの報道があり、リスク管理の観点から渡航は危険であると判断し、チームとしての訪問を断念するに至った。こうした状況を踏まえ、以前から注目していた虹の学校への訪問を新たに決定した。
直前の渡航先変更を受け、本春渡航は現地理解を深めるための知識吸収の機会であると同時に、私たちの代の活動方針を再検討する期間として位置づけた。
先輩たちの代が掲げてきた「移民・難民教育」というテーマを引き継ぎつつも、私たちの代では進学以外の選択肢にも視野を広げ、夏のプロジェクトへとつなげていくことを目標としている。そのため、教育分野に限定せず、関連分野の団体やオルタナティブ教育を実践する虹の学校への訪問を決定した。

2. 渡航概要

日程:2025年3月8日(水)〜3月14日(日)〈7日間〉
参加人数:8名
渡航先:タイ(バンコク、カンチャナブリー)

主なスケジュール

1日目:プロジェクト買い出し、準備、マレットファンタイ事務所訪問
2日目:虹の学校に移動、生徒の演劇鑑賞
3日目:授業補助
4日目:MIS1日企画(内容は後述のとおり)
5日目:虹の学校出発、バンコク着
6日目:マハーチャイの移民学校訪問、LPN訪問
7日目:バンコク観光
8日目:帰国
 成田空港 → ドンムアン空港
 バンコク市内観光

3. プロジェクト内容

①アイクブレイク

ラジオ体操と「だるまさんがころんだ」大会。
朝一番の活動ということもあり、ウォーミングアップと日本文化との交流を兼ねたアクティビティにした。

②多言語カードゲーム

高学年生を対象にしたカードゲーム。世界各国の国旗や言語、民族衣装や伝統料理などのカードを用意し、同じ国のカード同士で正しく組み合わせ、遊びながら異文化理解を促すゲームである。

多言語カードゲーム

③進化図を用いたWS

低学年生を対象に我々が作成したオリジナルワークショップを実施した。テーマは動物の進化で、すごろく形式のWSを通して動物の共通の祖先がどのように魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類に分化していったのかを理解することができる。

④たたき染め

虹の学校の草木花を使ったバンダナ染め。どの材料もできる限り自然のものか自然に還るものを選んだ。自然と共生する学校だからこそできるワークショップ。

⑤ペットボトルロケット

班ごとにペットボトルロケットを製作し、飛距離を競い合うことで、科学をより身近に学べる活動を実施した。実際に手を動かすことで科学への関心を高め、生徒たちが盛り上がることを目指した。

⑥高学年を対象とした授業

高学年を対象に多言語レクを実施した。黒板早書きゲームを用いて、お題に沿った単語を英語、日本語、タイ語で書き、順に得点を変えるなどしたことで、他言語の単語学習に役立てた。また、ジェスチャーゲームでは非言語で動作を伝えるなど、体も使った授業を行った。

高学年を対象とした授業

⑦低学年を対象とした授業

低学年を対象に英語を学習した。フルーツの名前をリズムに乗せて覚えた後、フルーツバスケットによってアウトプットを行うことで定着を図った。

4. 今後の展望

本渡航を通して、現地の子どもたちとの関わりにおいては、短時間の交流ではなく、1対1の深い関係性を築くことが極めて重要であるという気づきを得た。これまでのような「メーソットの子どもたち」という大きな括りでの関係ではなく、生徒一人ひとりと名前を覚え合い、個人として向き合う関係性を築くことができた。このような深い関係性や絆こそが、私たちの掲げる「長期的つながり」の本質であると認識している。
そのため、引き続き「長期的つながり」を目標としつつ、今後の活動では関係の質をより重視した取り組みを行っていく。今回の渡航を通じて、半日や1日程度の訪問では十分な関係構築が難しいと実感したことから、次回以降は同一の学校に2〜3日程度継続して滞在する形での訪問を検討している。夏渡航においても、同様に複数日滞在することを前提にプロジェクトを設計していく予定である。
また、活動の幅とインパクトを広げるため、他団体との連携も積極的に進めていく。これにより、単独では実現が難しい規模のプロジェクトの実施や、より多角的な支援の展開を目指す。
今後は、タイ・ミャンマー国境地域の中でもメーソットへの渡航を前提としながら、現地との継続的かつ実質的な関係構築を軸に据えた活動を展開していく。