2023年度春渡航報告(タイ・ミャンマー国境地帯チーム)

渡航の概要

タイミャンマー国境地帯チームの春渡航は、タイ側のミャンマー国境地帯の街メーソートと、チェンマイの2都市を訪れ、ミャンマー避難民の生徒たちとの交流活動とともに「日本にどのようにミャンマー避難民が留学できるか」に関する情報を収集し、現地にも情報を提供するプロジェクトをメインに行いました。

渡航ブログ(3/21~3/28)

3/21

この日はランチミーティング組と観光組の2つのチームに分かれて行動しました。ランチミーティング組は、現地の避難民支援NGOの代表やタイ政府顧問を交え約三時間に及びプロジェクトの相談と避難民の現状に関するヒアリングを行い、最前線から多くの情報とアドバイスを収集することができました。一方で、観光組は水上マーケットなどにいきました。各組合流後、夜行バスでメーソットに向かいました。

ランチミーティングの様子

3/22

早朝にメーソート到着後、午前に1校、午後に2校の移民学校を訪問し「日本伝統文化体験」と「日本留学説明会」を開催しました。対象生徒は海外大学進学にむけてアメリカ高卒認定資格GED取得を目指しており、英語での会話が可能でした。「日本伝統文化体験」ではコマ、けん玉、お手玉を生徒と一緒に遊び、新鮮な体験にどの遊びも大きく盛り上がりをみせました。「日本留学フェア」は志も学力も高い中、政治的経済的障壁により大学進学が困難なこのような生徒の可能性を少しでも拡大したい思いから、日本に留学するためのステップ、条件、障壁に関する情報提供セッションを行いました。セッション後は生徒や先生と学業や将来について少人数班で話し、多くの生徒が日本留学に関心を示していることと彼らの現状の難しさを理解した上、今後のプロジェクト設計に向けて数々の知見を得ることできた濃密な1日でした。夜は実家がメーソットにあるメンバーの家に伺い、夕食をいただきました。

3/23

留学情報提供セッションの様子

夏渡航でも行ったNew Blood Schoolに行き、まずはアイスブレイクとして「猛獣狩りへ行こうよ」のアレンジ版をしてみんなで自己紹介をしあって仲良くなりました。次に、日本文化体験としてグループに分かれて、けん玉、コマ、ヨーヨーやお手玉をして遊びました。その後は2日間かけて行う文化祭プロジェクトの1日目として、ちぎり絵、歌、ダンスのグループに分かれて練習しました。芸術を通じてミャンマー情勢発信に取り組む団体WARTと提携したちぎり絵は、ミャンマーと日本の繋がりをコンセプトにデザインされており、生徒と話をしながら楽しく作業を進めました。歌は「上を向いて歩こう」を日本語でみんなで覚え、ダンスは恋するフォーチュンクッキーのサビの部分を踊れるように練習しました。久しぶりの再会で生徒との絆を深められた1日でした。夕方は別の移民学校へ赴き、先生方から学校ツアーとお話しを伺いました。

3/24

New Blood School 2日目の午前中は留学フェアを行いました。全体に向けて説明した後グループに分かれて質問タイムを行い生徒たちの疑問に答えたり、自分の大学についてなどそれぞれ話したりしました。午後は前日の成果を発表する日でした。ちぎり絵を完成させ写真を撮ったり、ダンスや歌を少人数グループに分かれて撮影を行いました。ダンスと歌は撮影したものを編集して1つのミュージックビデオを作る予定です。それぞれの生徒の協力を得て全ての作品を完成させることができました。作品につまった数えきれない思い出を胸にひめて、別れに名残惜しさを感じながら、再度の訪問も約束してNBSを後にしました。日本にいたら絶対に築けない絆と出会えない世界線を噛み締め、「現地渡航」の意義を強く感じた瞬間でした。

その後は難民キャンプに行き、中には立ち入れないものの入口付近でキャンプの様子を見学しました。多くのNGOの支援があってこそ成立している生活を実際に目の当たりにし、人道支援と国際協力の重要性を身に染みて感じました。

ちぎり絵完成!@New Blood School

3/25

早朝からバスに乗りメーソットからチェンマイに移動しました。まずはシャン族の教育支援を行っている財団Shan Youth Powerを訪問し、チェンマイでの避難民教育の現状についてヒアリングを行いました。チェンマイでは大学進学でなく職業支援教育に重点を置いている点など、同じ国境付近でも地域によって教育支援の形態の違いを学ぶ機会になりました。

その後はチェンマイ大学日本語学科とビルマ語科の学生と互いの活動の共有や学生生活の話をした上で、学生にキャンパスツアーをしていただきました。同年代の学生との交流は、団体訪問が続く間で非常に楽しい時間となりました。

3/26

チェンマイ2日目。午前中は、Child Dream Foundationを訪問しました。避難民支援の中では有数の規模の財団に対し避難民の生徒を日本に留学させたいという私たちの考えを話したところ、現実的かつ前向きなアドバイスとアイデアをいただき、将来的な提携の可能性にも積極的な発言が見られました。午後はチェンマイ大学の部屋をお借りして、有識者や避難民学校の方たちと意見交換フォーラムを行いました。各団体の活動や日本人学生が支援のためにできることの提言を聞いた後、避難民の教育支援の主な課題に基づいて4つの分科会にわかれて議論をしました。このフォーラムを通して現地のニーズを汲み取り、今後に活きるコネクションを築くことができました。避難民の教育問題に対し各方面から多様な支援が入り組んでいることを学び、単なる支援という言葉では片付けられないこの問題の複雑性を痛感した会でもありました。この複雑な問題に対し、日本の一学生団体としてできるアプローチは何か。今後チームで丁寧に検討しながら、意義ある活動を続けていきたいという強い思いが募りました。

フォーラム終了後はミャンマー避難民のラーニングセンターへと向かい、生徒との交流の時間を楽しみました。

フォーラムの様子@チェンマイ大学

3/27

チェンマイ最終日はチームで観光をしました。チェンマイ郊外の滝を見に行き、自然豊かな場所で渡航の疲れをリフレッシュすることができました。夕方に飛行機でチェンマイからバンコクに戻り、最終日の夜なので旅の思い出を振り返りながらAirbnbで打ち上げを行い、夜にはホラー映画を観賞したメンバーも数人いました。

3/28

ついにバンコクを出発し、日本へ帰国しました。皆無事に帰国を果たし、充実した約一週間の渡航が終了しました。

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