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ご挨拶

代表挨拶

 私たちNPO法人MISは、東南アジア諸国への視察を通した社会問題の発見、メンバー間での議論による問題原因の分析、それを解決するためのプロジェクトの企画・実行を主な活動としてまいりました。それらを通して、現地の問題の解決に貢献することに加え、私たち自身や現地提携先の学生が、次世代を担うリーダーシップをもった人財へと成長することを目的としてきました。
 さて、2019年末より始まったCOVID-19の世界的な感染拡大は、私たちの生活のあらゆる側面に変化をもたらしました。その中でも、人の移動、特に国境を越える海外渡航が厳しく制限されたことは、現地への渡航を前提としてきたMISの活動方針の根本を揺るがすこととなりました。
 一方で、このコロナ禍においても、東南アジアの情勢は非常に目まぐるしく変化しています。今年2月にはミャンマーで国軍による軍事クーデターが発生し、民主主義が失われようとしています。また、12月にはフィリピンで台風22号が猛威を振るい、数百万人が被災しました。そして、世界を取り巻くコロナ禍という未曽有の事態はこれらの悲劇に拍車をかけています。
 しかし、このような状況においても、私たちMISは自分たちにできることを模索し続けていく団体でありたいと考えています。むしろ、コロナ禍の今だからこそ実現可能な新たなアプローチに積極的に取り組んでいきたいと考えています。具体的には、コロナ禍によってオンライン上でのコミュニケーションが盛んになったことによる Multilateral Interaction(=多国間での相互交流)の促進が挙げられます。そもそも、私たちの団体名であるMISとは、Multilateral Interaction with Students を略したものです。日本語では「学生による多国間での相互交流」を意味します。一方、現地への渡航を行っていたコロナ禍以前では、Bilateral Interaction(=二国間での相互交流)が主となっていました。しかし、オンライン会議が主流になった現在では、様々な地域出身の学生がお互いに交流を深め、広大な多国間のネットワークを形成することが、今まで以上に実現可能であると考えています。そして、このようにして形成されたコミュニティは、東南アジアの諸問題を解決する一助になると信じています。
 MISは創立から10年が経ち、その活動体制の大きな転換点にあります。これまでの活動にご協力してくださった提携先、先生方、協賛企業の皆様に深く感謝申し上げます。そして、NPO法人MISの今後の成長をこれからも支えてくださいますよう、よろしくお願いいたします。



2021年12月29日
代表
 東京大学農学部3年 石曽根 楽 

顧問挨拶

 NPO法人Multilateral Interaction with Students (MIS)は、2011年に東京大学の学部生が中心となって創設された社会活動サークルで、その後2013年に特定非営利活動法人(NPO)になり、現在に至っております。若者が国境を越えてつながりながら、グローバルな社会において政治・教育・経済・環境などの領域に分散する様々な問題を取り上げ、議論をし、解決のための行動を起こす活動を展開しております。
 MISの理念は“Seed the future, lead the world”です。この言葉には、若者同士で活動をしながら種をまき、やがては成長して世界貢献ができる人材に自らが育とうとする彼ら/彼女らの熱い志が込められております。MISは言葉だけではなく行動も伴う形で、その理念に基づき、様々な活動を続けてきました。そして次世代のリーダーを目指す人材を送り出しております。
 MISの活動の特徴は、素朴ながらも考え抜かれた活動方法にも見出すことができます。すなわち①問題発見 ②議論 ③実行 ④反省 のサイクルです。この簡単明瞭なサイクルならば、国境を越えて、少し言葉や文化が異なっても、すぐに理解を深め、MIS固有のコア・コンピタンスを形成できるのだと思います。組織としては、運営・渉外そして人財育成などを担う【ファシリテーション部門】と、具体的な活動展開を担う【ネットワーク部門】が国内および各国で展開するプロジェクトを統括する体制を整えております。活動範囲は、当初のカンボジアから、今ではミャンマー、マレーシア、インド、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどにも展開しており、また取り組む問題についても、上記の領域から発展させ、新たに障がい者、防災といったテーマにも取り組んでおります。
 最近では2017年8月に、東南アジア諸国の学生会議を開催すべく「途上国の学生と社会問題を調査・議論する会議」プロジェクトを実施しました。これは、マレーシアにて1週間ベトナム、インドネシア、フィリピンの学生を招致し、日本を含めた計5カ国の視点から取り組むワークショップでした。交通費や運営費を賄うために、クラウドファンディングを試み、32人の方々から総額32万3000円を獲得して充実した活動を展開しております。まさに、2011年から地道に積み上げてきた活動が、世間でも認められるようになった証であると理解しております。
 また現在、各方面の有識者・関連団体及び省庁とご相談しながら、日ASEAN学生会議を企画しております。本企画は、日本と ASEAN 諸国の学生が2週間にわたって共同生活を送り、様々な議論とフィールドワークを行うもので2019年夏実施の見込みです。当初、単なる学生交流サークルで終わりたくないと試行錯誤を続けていた学生たちの理想の活動が徐々に開花してきており、今後ますます展開が楽しみになってきております。これも学生たちを温かく見守る周囲の皆様の理解があってのことと思います。今後とも応援の程、よろしくお願いいたします。

2018年2月25日
東京大学大学院 総合文化研究科
関谷 雄一

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