2024夏渡航④(フィリピンチーム)

 フィリピンチームは、今年度春に立ち上げられたチームです!このチームも今年の夏にフィリピンのセブとカミギン島に渡航してきました!訪問先を何か所かご紹介します!

【セブンスピリットプロジェクト】

 セブンスピリットは、子供たちが放課後に集まり、音楽やスポーツを通じて子供らしく生き、学ぶ機会を提供しているNPOです。我々は、けん玉や習字、かるたなどの日本の伝統的な遊びで子供たちと交流し、親睦を深めました。子供たちは最後に演奏を披露してくれました。練習を重ねたリコーダーや鍵盤ハーモニカ、サックスの演奏は圧巻で、演奏する子供たちの笑顔に、こちらも明るい気持ちになりました。

【インディアナ見学】

 セブ島にある、小学校から大学までが一体となった学校(インディアナ)を訪問し、教室や、航空機の操縦シミュレータなどの設備を見学しました。現地の学生が通う学校の環境について知ることができ、今後のプロジェクトでの提携の可能性も探ることができました。

【セブのスラムツアー】

 現地の方が、セブ島の地元民の住む街を案内してくださり、市場の様子や人々の居住環境を直接見ることができました。

【カミギン島視察】

 カミギン島という、フィリピンの南部にあるリゾートアイランドを視察しました。e-Educationという、現地で日本人むけのオンラインの英語教育をしているNPO法人を尋ね、NPOとしての活動についてやカミギン島が抱える教育、雇用、環境面等の問題について伺いました。現地の教育機関や行政の方にもお話を伺い、また観光も楽しみました。現地でしか感じられない島の課題や魅力を感じることができました。

【最後に】

 今回の渡航はフィリピンチームとして初めての渡航であり、プロジェクトを練っていく上で重要な最初の現地視察を行いました。セブ島とカミギン島を訪れ貧困、環境、離島という三つの観点から現地の問題について仮説を立て検証しました。想定していた問題をより解像度高く感じるとともに、新たに現地でしか見つけられない問題を発見することができました。また、一週間以上の長い期間にわたって行動を共にし、食事や観光も楽しみながら交流する中でより一層チームメンバー同士の理解度も上がり、信頼を構築することができました。今回の渡航で実際に目で見たり、現地の人々と交流したりして得られた課題意識やコネクションを活かして、今後新たにプロジェクトを計画して進めていきたいと思っています。

2024夏渡航報告③(JAYS実行委員会)

JAYSプロジェクト2025 in Jakartaとは?

 昨年MIS内で日ASEAN友好50周年記念事業として立ち上げた、「日ASEANユースサミット(JAYS)」事業というプロジェクトです。本プロジェクトはASEAN各国と日本出身の高校生を集めてASEAN各国で会議を開くという事業になっています。昨年度はASEAN各国に拠点をもつ社会人NGOであるAYO(ASEAN Youth Organization)の協力のもと、本会議のオンライン開催が実現しました。今年度は、万博記念基金財団の助成事業に採択され、助成金210万円をいただき、2月にジャカルタでの第一回会議の対面開催を予定しています。

今回の夏渡航では、JAYS2025の現地調整としてジャカルタに渡航しましたので、訪問先を下にまとめてみました!ぜひご覧ください!

【株式会社OCグローバル】

 オリエンタルコンサルタンツグローバル(OCG)の南條大介様にお話を伺いました。日本の技術を用いた、「ジャカルタ都市高速鉄道計画」(通称MRTJ)の開発過程について詳しく教えていただき、その後MIS側から質問をさせて頂くことで理解を深めました。最後に、今後のJAYSとの協力の可能性を協議でき、非常に有意義な時間となりました。

【JICAインドネシア事務所】

 MRTJプロジェクトに携わった、JICAインドネシア事務所を訪問させていただきました。はじめに現場事務所の方からMRTJプロジェクトについての紹介をしていただき、その後MIS側から質問をさせていただきました。質疑応答の時間を通して、日本企業がインドネシアで開発を行う際の関わり方などを学びました。最後に、JAYSの視察プログラム等での協力の可能性について模索でき、会議の方向性が大きく前進しました。

【株式会社清水建設】

 インドネシア初の地下鉄事業である「ジャカルタ都市高速鉄道計画」(通称MRTJ)の一部工事を担当した清水建設を訪問しました。今回の訪問では、実際の工事現場や具体的な工法についてお話を伺い、さらにJAYSでの視察先としての協力を依頼しました。視察先としての協力に対して前向きな反応が得られたことに加え、MRTJプロジェクトやジャカルタの都市交通に対する理解もより一層深まり、非常に有意義な時間となりました。

【国際機関ERIA】

 ERIAはASEAN諸国が抱える課題について、専門家による具体的な政策提言を行う政府機関。今回の渡航では、日ASEANユースサミットにおいて後援名義の取得や講演者の紹介の可能性について打診しました。ERIAの研究の特性上直接的な関係成立には至りませんでしたが、ユースサミットの事業には関心を示していただき、提携先候補や今後の動きについて親身になって相談に応じていただき、非常に有意義な訪問となりました。

【AYO(ASEAN Youth Organization)】

 AYOは、ASEANの社会人が運営するASEANの若者の社会貢献の手助けを目的としたNGO。AYOの本部がジャカルタに設置されていることもあり、今回の渡航では現状の確認とこれからの両団体の動きについて協議を行いました。会議への協力的な姿勢に加え、水上マーケットをイメージしたインドネシア料理のレストランや地元の人から長年愛されているカフェへ連れて行っていただくなど、これ以上ないおもてなしをしていただきました。ユースサミット開催に向けて、パートナーシップの強固さを確認することができ、大きな前進となりました。

【インドネシア保健省】

 インドネシア保健省(Kementerian Kesehatan Republik Indonesia)下で医療のデジタル化を担当するDigital Transformation Office(DTO)を訪問しました。インドネシアではコロナ禍を機に急速にヘルスケア面のデジタル化が進み、医療情報の保存や予防接種履歴の確認や予約ができるSATUSHAT Mobile というモバイルアプリは9000万人以上の利用者をもつまでに普及したそうです。日ASEANユースサミットでの基調講演への協力も快く引き受けていただき、今後JAYSとの協力が予想されます。最後にまるでシリコンバレーの企業のようなオフィス内を軽くツアーすることができた。子育て支援などが充実しているため女性の社員が多いことが印象的だった。

【Rujak center】

 Rujak Center for Urban Studies (RCUS)は持続可能な都市、地域を構築するために提案、実践を行う組織である。今回の訪問では、スラムの立ち退きを受けた人々を住民として建てられた集合住宅であるKampung Akuariumを訪れた。売店など経済活動を行う施設もあり、既存のコミュニティが残存して、それ自体によって運営されているのが特徴だという。ジャカルタの都市問題についての理解が深まり、今後、会議を準備していくにあたり有意義な経験となった。

【インドネシア政府】

 インドネシア大臣府(Kemenko PMK) は、インドネシアの人材開発と文化を包括的に担当する省庁。今回の渡航では、日ASEANユースサミットにおいて後援名義の取得や講演者の紹介の可能性について打診した。非常に前向きな反応を得られ、インドネシア政府の後援が確実となった。一年間の準備が報われた心地がし、大変喜ばしい交渉結果となった。政府公認の事業となった以上、それに見合った会議となるように開催まで準備を進めていきたい。

今後に向けて

外務省ASEAN日本政府代表部を始め、数々の関係各所に訪問できて大変有意義な夏渡航にすることができました。特に13期のみんなにとっては、非常に貴重な経験になったと同時に、JAYS実行委員会の活動へのモチベーションも上がったかと思います。無事に外務省ASEAN日本政府代表部の後援をいただいたり、JAYSの分科会テーマ関連の施設を訪問したりして、メンバー全員のJAYSの解像度が非常に高くなりました。今後は、JAYS内の分科会準備と後援名義、資金調達などの渉外の2つを活動軸にして、今年度2月のJAYS第一回開催に向けて、JAYS実行委員会一同頑張っていきたいと思います。


2024夏渡航報告②(ベトナムチーム)

人文社会大学との交流

ホーチミン人文社会大学日本語学部の学生の皆さんとの文化交流会を開催しました。MISは習字や折り紙の体験会を企画し、人文大の学生の皆さんにはベトナムの伝統的な遊びである「Ô ăn quan(オーアンークアン)」や「Banh đũa(ボールと箸)」の体験会を企画していただきました。どちらの体験会も大盛況で、お互いの文化を知るいい機会となりました。MISからは現在取り組んでいる技能実習制度の問題に関するプレゼンテーションも行いました。ベトナムの大学生の技能実習制度に対する認識を確認するとともに、ベトナムや日本で起こっている問題についてより理解を深めてもらうことができました。

【日本語学校つばさ】

ファンラン市に位置する日本語学校つばさを訪問した際には、生徒の皆さんとの交流を行いました。生徒の皆さんが日本の文化に触れたり、日本語を実際に使ったりする機会を作ることができ、有意義な時間を過ごすことができました。また、学び舎つばさ様のご厚意により、村でのホームステイを行うことができました。ファンランの日系企業で働く方々やフクニョン村の皆さんから村についての様々なお話を聞くことができ、大変勉強になりました。

在越日系企業

NPO法人学び舎つばさの責任者の方に繋げていただき、ファンラン市における建築会社の日系企業5社ほど視察に向かいました。優秀な従業員が揃っており、高度な技術を使ったお仕事をされていたことにはもちろん、会社での使用言語が日本語だったことに驚きました。日本現地の企業と連携している以上、効率的かつ正確に意思疎通を図るためにはやはり日本語の運用は欠かせないようで、毎年社員を日本へ派遣して日本語の研修を行っているそうです。

【UIH】

こちらはホーチミンに位置する、ベトナム人技能実習生の送り出し機関です。技能実習制度に関するお話や、私たちベトナムチームが技能実習生についてプロジェクトを組み立てていくにあたってのアドバイスをいただきました。社長さんの夫婦二人はどちらも親切で人当たりがよく、普段では聞けないような裏話や起業に関するご意見もしていただきました。この繋がりを私たちは日本に帰ったあとでも大切にし、提携先としてより関係性を深めていきたいと思いました。

【最後に】

今回は天候の原因で往路の飛行機が欠航になり、予定より一日遅れての渡航になって、不安を抱えたスタートでした。しかし、有り難いことに現地で会った人全員に優しくしていただき、最終日までメンバー全員元気で安全に過ごすことができました。本当によかったです。今回は何かプロジェクトを実行するというより、プロジェクト構築に向けた情報収集をするのが渡航の目的でしたが、日本に持ち帰って議論したいような発見が多々ありました。また、今回は新規メンバーの13期が全員渡航に参加できたので、これからの活動のモチベーションに繋がることと信じています。今後は夏渡航で学んだことを元に、プロジェクト完成に向けてまたメンバー全員で動いていきます!

2024夏渡航報告①(タイ・ミャンマー国境チーム)

2024年度の夏渡航の報告をしていきます。

第1回は8/12~22日にタイ・ミャンマー国境の街メーソトやバンコクに渡航したタイ・ミャンマ―国境チームの報告です!

科学実験プロジェクト                                  座学では分からない勉強の楽しさを実感してもらうという目的のもと、移民学校では普段行わない科学実験を行いました。ペットボトルロケット実験では、ロケットを実際に工作し、年齢を問わず楽しい雰囲気で過ごすことができました。最後に行ったチーム対決はとても盛り上がり、優勝チームのロケットが飛ぶと大きな歓声があがっていました。葡萄ジュースをお酢で布を染める実験では個性あふれる作品を作ることができました。メーソートの中でもエリート学校で行ったDNA析出実験は、座学で学んだ内容を踏まえた高度な議論が飛び交い、学生と有意義な学びの空間を過ごすことができました。

紙飛行機 プロジェクト                                 ミャンマー避難民の子供たちの存在と現状、日本とメーソートのつながりを象徴するような芸術作品を共同制作し、社会発信の題材にする。まず、思い思いに好きな色の絵の具を手に塗り広げ、搭乗券をイメージしたデザインの大きな布に手形を押し、巨大手形アートを作成しました。2枚作成したうちの1つは現地に寄贈し、思い出として残しました。また、実際に紙飛行機を折り紙で折る、「上を向いて歩こう」などの歌を歌った動画を撮影し、言語の壁を超えて生徒たちと楽しい時間を過ごすことができました。

Active learning プロジェクト                               学力の高い移民学校の学生向けに、Active learningプロジェクトを実施しました。まず、クロスワードや謎解き、知識問題など様々な分野から出題するクイズ大会を開催しました。また、課題解決ワークショップではグループでロジックツリーを用い、生徒の成績向上につながるアプリを考えました。学校に通う生徒の中には難民キャンプで英語を身につけた生徒もいるにも関わらず、私たちよりも高い英語力を持っていることに刺激を受けました。学校側から「日本とメーソートの知識の架け橋」とSNSでMISの紹介をいただきました。

AAPP                                          ミャンマー内戦中に政治犯として収容された人々の歴史を展示している資料館。私たちにとって「当たり前」の人権や民主主義のために多くの人民が現在も戦い続けている姿がたくさん展示されていました。実際に自国民の政府を残虐に弾圧し収容、拷問している軍政府の写真を目の当たりにすると、遠くの国の内戦が現実であるという実感が湧き、日本としても何ができるかを考えさせられました。

【高校生〜大学2年生対象】「学生目線で伝える国際協力・途上国支援のリアル」ワークショップ参加者募集中!

こんにちは!NPO法人MISです!

このたび、NPO法人MISは「学生目線で伝える!国際協力・途上国支援のリアル」というテーマで、高校生や大学生のみなさんと一緒に学生だからこそできる、よりよい国際協力を考えていくワークショップを開催いたします📣

「国際協力」「途上国支援」に関心があるけれど、果たして学生にできることはあるのかという疑問をもっている方!現在、ボランティアや国際協力活動をしているけど、同世代の人と活動を共有してよりよくできる方法を一緒に考えたいという方!

①国際協力活動をしている学生団体のリアルな体験談や思いを聞くことができる

②学生メンバーとよりよい国際協力について一緒に議論できる

③東南アジアを中心とする社会問題について楽しく学ぶことができる

学生によるワークショップなので、経歴や理由に関わらず、気軽に話し合うことができます!

こちらが募集要項です👇 ワークショップイベント参加をご検討の方はご確認ください。

<ワークショップイベント 募集要項>

  • 日程
    • 11/17(日)14:00-17:00
  • 場所
    • 東京大学本郷キャンパス学生支援センター3F
  • 対象
    • 高校1年生~大学2年生
    • 国際協力や途上国支援に関心がある方
  • 募集定員
    • 約40名
  • 参加費
    • 無料
  • 主催・参加団体
    • 東京大学MIS
      • 東南アジアで学生交流や国際協力を行うサークル
      • ミャンマー避難民への教育支援を行うタイ・ミャンマー国境地帯チーム
      • 日本語学習者・技能実習生への支援を行うベトナムチーム
    • Coming soon
      • 東南アジアなどで国際協力を行う団体を2団体ほど招待予定
  • テーマ
    • 学生目線で伝える国際協力・途上国支援のリアル
  • 内容
    • 第一部:レクチャー(60min)
      • 国際協力を行うサークルの活動紹介
        • タイ、ベトナムなど現地で行っている色々な活動を紹介します!
      • 各サークル代表によるパネルディスカッション
        • 現地と日本で感じた違いは?活動のやりがい・困難は?「学生」が行う国際協力の強み・弱みは?
    • 第二部:ワークショップ(30min)
      • 「学生の国際協力をよりよくしていくには?」について高校生・大学生で自由にアイデア交換
        • 「押し付けの国際協力になりがち」という批判を乗り越えるためにはどうすればいいのか?
      • 各班のアイデアを発表・共有
    • 第三部:参加団体企画(50min)
      • 各参加団体が楽しく国際協力について考えられる企画をそれぞれ用意しています!
  • 応募方法
  • 持ち物
    • 特になし

SNSでイベントに関する情報を都度更新!>

公式Instagramはこちらから↓

公式X

<お問合せ先>

何か質問等ございましたら、気軽にメール、公式ライン、インスタDM等でご連絡ください!

メール:info@misleaders.org

<謝辞>

*この企画は、大東建託グループ みらい基金の助成、認定 NPO 法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの運営補佐のもと実施されている、We are the MOVEMENT の一環として開催されています。(https://ftcj.org/we-movement/wearethemovement)

皆さんのご応募お待ちしております!!✨

2024年度MIS発足!

5月26日から2024年度MISの新体制が発足しました!今年度は代表を園田逸翔(11期)、副代表を大島明日美(11期)が務め、タイ・ミャンマー国境地帯チーム・ベトナムチーム・日ASEANユースサミットチーム・フィリピンチームの4つのプロジェクト実行チームの活動、そして今年度末に行われる日ASEAN学生会議の運営を軸に活動していく予定です。

常日頃からお世話になっている皆様、今年度もどうぞよろしくお願いします。

☆もし各活動に関してご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら下記のページをご参照ください。

タイ・ミャンマー国境地帯チームの詳しい活動についてはこちら

ベトナムチームの詳しい活動についてはこちら

日ASEANユースサミットチームの詳しい活動についてはこちら

日ASEAN学生会議に関してはこちら

※今年度から始動したフィリピンチームのホームページは準備中です。

2023年度春渡航報告(タイ・ミャンマー国境地帯チーム)

渡航の概要

タイミャンマー国境地帯チームの春渡航は、タイ側のミャンマー国境地帯の街メーソートと、チェンマイの2都市を訪れ、ミャンマー避難民の生徒たちとの交流活動とともに「日本にどのようにミャンマー避難民が留学できるか」に関する情報を収集し、現地にも情報を提供するプロジェクトをメインに行いました。

渡航ブログ(3/21~3/28)

3/21

この日はランチミーティング組と観光組の2つのチームに分かれて行動しました。ランチミーティング組は、現地の避難民支援NGOの代表やタイ政府顧問を交え約三時間に及びプロジェクトの相談と避難民の現状に関するヒアリングを行い、最前線から多くの情報とアドバイスを収集することができました。一方で、観光組は水上マーケットなどにいきました。各組合流後、夜行バスでメーソットに向かいました。

ランチミーティングの様子

3/22

早朝にメーソート到着後、午前に1校、午後に2校の移民学校を訪問し「日本伝統文化体験」と「日本留学説明会」を開催しました。対象生徒は海外大学進学にむけてアメリカ高卒認定資格GED取得を目指しており、英語での会話が可能でした。「日本伝統文化体験」ではコマ、けん玉、お手玉を生徒と一緒に遊び、新鮮な体験にどの遊びも大きく盛り上がりをみせました。「日本留学フェア」は志も学力も高い中、政治的経済的障壁により大学進学が困難なこのような生徒の可能性を少しでも拡大したい思いから、日本に留学するためのステップ、条件、障壁に関する情報提供セッションを行いました。セッション後は生徒や先生と学業や将来について少人数班で話し、多くの生徒が日本留学に関心を示していることと彼らの現状の難しさを理解した上、今後のプロジェクト設計に向けて数々の知見を得ることできた濃密な1日でした。夜は実家がメーソットにあるメンバーの家に伺い、夕食をいただきました。

3/23

留学情報提供セッションの様子

夏渡航でも行ったNew Blood Schoolに行き、まずはアイスブレイクとして「猛獣狩りへ行こうよ」のアレンジ版をしてみんなで自己紹介をしあって仲良くなりました。次に、日本文化体験としてグループに分かれて、けん玉、コマ、ヨーヨーやお手玉をして遊びました。その後は2日間かけて行う文化祭プロジェクトの1日目として、ちぎり絵、歌、ダンスのグループに分かれて練習しました。芸術を通じてミャンマー情勢発信に取り組む団体WARTと提携したちぎり絵は、ミャンマーと日本の繋がりをコンセプトにデザインされており、生徒と話をしながら楽しく作業を進めました。歌は「上を向いて歩こう」を日本語でみんなで覚え、ダンスは恋するフォーチュンクッキーのサビの部分を踊れるように練習しました。久しぶりの再会で生徒との絆を深められた1日でした。夕方は別の移民学校へ赴き、先生方から学校ツアーとお話しを伺いました。

3/24

New Blood School 2日目の午前中は留学フェアを行いました。全体に向けて説明した後グループに分かれて質問タイムを行い生徒たちの疑問に答えたり、自分の大学についてなどそれぞれ話したりしました。午後は前日の成果を発表する日でした。ちぎり絵を完成させ写真を撮ったり、ダンスや歌を少人数グループに分かれて撮影を行いました。ダンスと歌は撮影したものを編集して1つのミュージックビデオを作る予定です。それぞれの生徒の協力を得て全ての作品を完成させることができました。作品につまった数えきれない思い出を胸にひめて、別れに名残惜しさを感じながら、再度の訪問も約束してNBSを後にしました。日本にいたら絶対に築けない絆と出会えない世界線を噛み締め、「現地渡航」の意義を強く感じた瞬間でした。

その後は難民キャンプに行き、中には立ち入れないものの入口付近でキャンプの様子を見学しました。多くのNGOの支援があってこそ成立している生活を実際に目の当たりにし、人道支援と国際協力の重要性を身に染みて感じました。

ちぎり絵完成!@New Blood School

3/25

早朝からバスに乗りメーソットからチェンマイに移動しました。まずはシャン族の教育支援を行っている財団Shan Youth Powerを訪問し、チェンマイでの避難民教育の現状についてヒアリングを行いました。チェンマイでは大学進学でなく職業支援教育に重点を置いている点など、同じ国境付近でも地域によって教育支援の形態の違いを学ぶ機会になりました。

その後はチェンマイ大学日本語学科とビルマ語科の学生と互いの活動の共有や学生生活の話をした上で、学生にキャンパスツアーをしていただきました。同年代の学生との交流は、団体訪問が続く間で非常に楽しい時間となりました。

3/26

チェンマイ2日目。午前中は、Child Dream Foundationを訪問しました。避難民支援の中では有数の規模の財団に対し避難民の生徒を日本に留学させたいという私たちの考えを話したところ、現実的かつ前向きなアドバイスとアイデアをいただき、将来的な提携の可能性にも積極的な発言が見られました。午後はチェンマイ大学の部屋をお借りして、有識者や避難民学校の方たちと意見交換フォーラムを行いました。各団体の活動や日本人学生が支援のためにできることの提言を聞いた後、避難民の教育支援の主な課題に基づいて4つの分科会にわかれて議論をしました。このフォーラムを通して現地のニーズを汲み取り、今後に活きるコネクションを築くことができました。避難民の教育問題に対し各方面から多様な支援が入り組んでいることを学び、単なる支援という言葉では片付けられないこの問題の複雑性を痛感した会でもありました。この複雑な問題に対し、日本の一学生団体としてできるアプローチは何か。今後チームで丁寧に検討しながら、意義ある活動を続けていきたいという強い思いが募りました。

フォーラム終了後はミャンマー避難民のラーニングセンターへと向かい、生徒との交流の時間を楽しみました。

フォーラムの様子@チェンマイ大学

3/27

チェンマイ最終日はチームで観光をしました。チェンマイ郊外の滝を見に行き、自然豊かな場所で渡航の疲れをリフレッシュすることができました。夕方に飛行機でチェンマイからバンコクに戻り、最終日の夜なので旅の思い出を振り返りながらAirbnbで打ち上げを行い、夜にはホラー映画を観賞したメンバーも数人いました。

3/28

ついにバンコクを出発し、日本へ帰国しました。皆無事に帰国を果たし、充実した約一週間の渡航が終了しました。

Japan-ASEAN Youth Summitへの助成金交付が決定しました!

この度、Japan-ASEAN Youth Summit実行委員会が公益財団法人関西・大阪21世紀協会から日本万国博覧会記念基金事業助成金の交付を受けられることが決定しました!
https://www.osaka21.or.jp/jecfund/



この資金は2024年夏ジャカルタでのJapan-ASEAN Youth Summitの対面開催に向けて使われる予定です。実行委員会一同、夏の対面開催に向けて準備を頑張っていきます!

ベトナムチーム 渡航報告

[訪問先]

Kraft of Asia

段ボール原紙製造会社Kraft of Asia Paperboard & Packaging (KOA)さんの​​​バリアブンタウ省に位置するフーミー3特別⼯業団地にある工場を訪問しお話を伺い、段ボール原紙の製造過程を見学した。

環境負荷の低い製紙方法やなぜそのようなことができるのかといった普段は知ることのできない貴重なお話を伺った。

ジャンクショップ

現地のお店や家庭からリサイクル可能なゴミを買い取り仲介業者に販売する問屋であるジャンクショップを訪問しベトナムでのゴミ回収やリサイクルの現状、システム、課題などをChạy Nhặtの代表者Mr.Phatを通じて伺った。

ベトナムではリサイクル業者はこのような政府から認められていない業者しかいないことや仲介業者にマフィアが絡んでいることなど日本とは全く異なるベトナムのリサイクルに関する現状を知り衝撃を受けた。

ビーチクリーン活動@ブンタウ

現地の高校生とビーチクリーン活動を行い、交流を通じてお互いの国のゴミの処理方法などを共有した。

ビーチには綺麗に保たれている場所とゴミが多い場所があり、ゴミが多い場所付近では漁業や魚類の売買が行われていた。漁業や魚類の売買に使われたプラスチックを主とするゴミに加え、波打ち際あたりの砂浜には非常に多くのプラスチック袋が埋まっており、ブンタウの人が捨てているゴミだけではなく、波に乗って流れ着いてくるゴミも多くあるように思えた。

東日クラブ

ホーチミン人文社会科学大学日本学部の日本語会話クラブである東日クラブさんと文化交流やゴミ問題や地方と都市の格差についてのディスカッションを行った。また、一緒に観光しベトナム料理を食べ、メンバー同士の交流を深めた。

さらに、東日クラブさんが毎週開催している日本語会話クラブにも参加し、ゲームやディスカッションを通じて東日クラブメンバーの方だけでなく地元の方とも交流した。

バイクツアー@ホーチミン

ホーチミン市内の貧困地域をめぐるバイクツアーに参加し、ベトナム人ガイドの方から地域の背景や生活実態を伺いながら発展したホーチミン市内に存在する格差を自らの目で見た。

ビルが立ち並び綺麗に整備された中心部と低い家が密集しもつれて絡まった電線や崩れた家も見られる貧困地域の、近くにありながらも対照的な風景が印象に残った。またガイドの方からの説明を受け各貧困地域の特徴やそこでの生活なども詳しく知り理解を深めた。

日本工営海外営業部ホーチミン事務所

インフラ整備や建設事業の施工管理、コンサル業など行う日本の企業である日本工営の海外営業部ホーチミン事務所を訪れ、現在はバリアブンタウの洋上風力のサプライチェーン建設に携わり開発コンサルを行っている阿部様からお話を伺った。

ベトナムにおける発電や開発に関する課題やODAについて詳しく伺った。質疑応答により様々な視点から学び、ベトナムで開発に関わる生の声を聞き、現状への理解を深めた。

日本語学校(ドンズー日本語学校・さくら日本語学校)

ベトナムでは日本語学習が盛んであるという現状を踏まえ、ホーチミン市内にある日本語学校であるドンズー日本語学校とさくら日本語学校を訪問しお話を伺った。

日本語学習者が減少していることや日本語学校卒業者の多くが日本ではなくベトナム国内で就職していることなどを知り、現状への理解を深めた。

       

[感想]

東日クラブとの交流会では、ベトナム国内のゴミ問題や格差、教育に関して、現地学生がどのように考えているのか生の声を聞くことができた。単なるステレオタイプで決めつけるのではなく、実際に人々がどう思っているかという視点は非常に重要だと改めて思った。

また地方と都市部の格差の現れ方が日本とあまり相違がないこともわかり、ベトナムの話でもとても共感できた。

齊藤さんとMr.Phatとベトナムのごみ問題やベトナム経済についてのスタディセッションを行ったが、ここで聞いたお二人の話はとても興味深かった。聞けば聞くほど、自分たちがリサーチの段階で気づけなかったことが発見できたうえ、ベトナムという国自体だけでなく、日本人として生きる私たち、短期プロジェクトを行うために渡航している私たちがどうあるべきかなど、沢山考えさせられる有意義な時間だった。最後までMISチームからの多くの質問にも全て真摯に答えてくださったお二人には感謝したい。

ジャンクショップで伺ったベトナムのゴミ回収についてのお話は、日本と大きく異なる点や知らなかったベトナムの現状など知ることができ大変興味深かった。また特にゴミに対して誰が責任を取るかという考え方が日本人とは大きく異なっていたため理解に時間がかかり、自分にとっての前提を疑うことの重要性と難しさを感じた。

[今後の展望]

今回の渡航を経てインターネットを用いて調べ、想定していた状況とは異なる本当のベトナムの現状へ近づくことができた。そこで見聞きしたことからポイ捨ては今回の渡航で訪れた地域では想定よりも少なかったりゴミ問題は思っていたよりも政府や社会全体が関わっていたりすることや、貧困地域のあり方が日本における貧困のあり方とはかなり異なることがわかり、今まで考えてきたプロジェクトの形を考え直すが生じた。

今後は修正を加えたゴミ問題プロジェクトと新たに日本語学校関連のプロジェクト、その他の今回学んだことを生かしたプロジェクトの三つ視点からのプロジェクトを計画・実行していきたい。

タイ・ミャンマー国境チーム 渡航報告

タイ・ミャンマー国境チームは、ミャンマーからタイへ避難してくる若者に焦点を当て、そのような若者たちの進学、就職といった将来の選択の幅を広げることを目標に夏渡航を敢行いたしました。

訪問先

New Blood School

 New Blood Schoolは、ミャンマーからの移民、難民に向けて、英語教育などの国際教育プログラム、タイ語教育、コンピュータ教育など、人々の社会進出に際して必要となるスキルを提供する教育機関です。

 今回の渡航では、文房具などの物資支援と「日本文化プロジェクト」、「将来の夢プロジェクト」を実施いたしました。

 「日本文化プロジェクト」では、現地の子供たちに外国へ目を向けてもらうこと、午後の活動に向けたアイスブレイクとすることを目的に、こまや折り紙など日本の伝統的な遊びを行いました。子供たちとMISメンバーの親睦が深まる良い機会となりました!

 「将来の夢プロジェクト」では、子供たちに将来なりたい人物像や願いなど記載した夢マップを作成していただきました。また、その後夢マップ発表会も行いました。子供たちに将来に関してじっくり考えてもらい、夢マップ発表会を通してお互いに褒めあったことで、子供たちが将来に対して前向きに考えるきっかけを作ることができました!

シーカー・アジア財団

 シャンティ国際ボランティア会が設立したタイの現地法人であり、タイに住む子供たちを対象に奨学金事業、保育園事業、学生寮事業などの多岐にわたる教育支援活動を行っています。さらにクロントイスラムに住む女性たちへの職業支援なども行っており、クロントイスラム発のライフスタイルブランド「FEEMUE」を展開しています。

 今回は、シーカー・アジア財団様の活動に関する講義を受講し、その後クロントイスラムの視察をさせていただきました!

社会開発・人間安全保障省

社会開発、正義と平等の定着、家庭やコミュニティにおける福祉と人間安全保障の奨励、またこれらの発展に関する政策の実施を担っている省庁です。青少年教育に関しては、「子供たちがポテンシャルを発揮できる社会を作ることが国の繁栄につながる」という考えのもと、子供や青年の保護、ライフスキルの向上推進や権利保護を行っています。

 今回は、互いの活動内容を共有し、CYC(Children and Youth Counsil)のメンバーとMISメンバーが親睦を深めました!

メ―タオクリニック

メーソットに所在する、タイに逃れてきたビルマ移民、難民や、貧困により国内で医療を受けられないビルマの人々に医療を提供する総合診察所です。増加するビルマ移民のため、近年は学校や孤児院の運営、HIVなどの予防啓発、保健教育といった多岐にわたる活動を実施し、長きにわたって国境に住む人々の生活を支えています。

OIA

SAW Boarding House

AAPP

チュラロンコン大学

UNESCO Bangkok

感想

今回の渡航に参加したメンバーからの感想をご紹介いたします!

ミャンマーから避難してきた子供たちは、様々な苦しい環境を乗り越えてきたと聞いていたため話す際に少し緊張してが、子供たちがみんな明るくすぐに緊張が解けた。子供たちの将来に対するモチベーションが高く、子供たちがとても具体的に自分の将来について考えていることを実感した。望む将来に向けて生徒たちの選択が尊重される社会を作っていかなければならないと感じた。

タイミャンマー国境地帯の移民の現状やミャンマー国内で起きている紛争に対する理解が非常に深まった。また、ミャンマーで過ごしてきた若者がクーデターに対してどう考えているのか、生の声を聞くことができ、学びが多かった。

農村部の学校の設備などがあまり十分でないように感じた。都市部と農村部との差を顕著に感じ、現地が抱える課題に触れることができた。

今後の展望

①渡航の成果をどのように活かすか

New blood school での訪問で把握した現地の生徒のニーズのうち、MISとして支援可能だと判断したものに関する長期支援プロジェクトを実行していく。

渡航で得たコネクションを活用し、必要が生じた場合、今後プロジェクトに協力して取り組む、あるいはプロジェクト実行の支援を受ける。

②長期プロジェクト実行に向けてのアクションプラン

定期的なミーティングを行い、現地渡航で各自が感じ取ったことや得た知見を共有したうえで改めて課題やニーズの分析を行う。

全体で大まかな合意がとれた分析結果をもとに、長期プロジェクトで何をするかを決定する。

長期プロジェクトの具体的実現に向けて、何が必要か、どのような機関、団体との協力が望ましいか、資金をどうするかなどを話し合い、決定する。

③春渡航に向けた定期ミーティングの実施

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